ユニットエコノミクスとは?
ユニットエコノミクスとは、顧客1人(1社)あたりの採算性のこと。一般に「LTV÷CAC」で表し、3以上が健全ラインとされます。事業全体が赤字でも、この比率が健全なら「拡大すれば利益が出る構造」だと判断できます。
実務での使い方
例えばLTV60万円・CAC15万円ならLTV/CACは4で、獲得に使った費用の4倍を顧客から回収できる計算です。あわせて「CAC回収期間(CAC÷顧客あたり月次粗利)」も見ます。12ヶ月以内が目安で、回収が遅いほど成長に多くの資金が必要になります。スタートアップの投資判断や広告予算の上限設定に使われる考え方です。
注意点はLTVの前提に楽観が入りやすいことです。LTVは粗利ベースで計算する、解約率は直近実績を使う、CACには人件費を含める、といった条件を揃えないと数値が簡単に良く見えてしまいます。LTV/CACが高すぎる(5以上など)場合は、むしろ投資不足で成長機会を逃している可能性も検討します。
ユニットエコノミクスの計算例
顧客1人あたりの採算=LTV/CAC比で測ります。例えば月額3万円・粗利率80%・月次解約率2%ならLTV=120万円。広告費と営業人件費から1顧客の獲得に30万円かかっているならCAC=30万円で、LTV/CAC=4倍です。一般に3倍以上が健全の目安と言われます。
あわせて見るのがCAC回収期間(CAC÷月次粗利)です。この例では30万円÷2.4万円=12.5ヶ月。一般に12ヶ月以内が望ましいとされ、回収が長いほど成長に運転資金が必要になります。
あわせてCAC回収期間=CAC30万円÷月次粗利2.4万円=12.5ヶ月も確認する(一般に12ヶ月以内が望ましい)。
ユニットエコノミクスが悪いときの改善順序
LTV/CAC比が3倍を下回る場合、打ち手は「LTVを上げる」か「CACを下げる」です。実務ではまずCAC側から着手するのが定石です。獲得チャネル別にCACを分解すると、採算の合わないチャネルが特定でき、予算の付け替えだけで改善できることが多いためです。
LTV側の改善(解約率・単価)は効果が大きい一方、成果が出るまで時間がかかります。また、LTV/CAC比が高すぎる(5倍超など)場合は「投資を絞りすぎて成長機会を逃している」サインと読む考え方もあり、比率は高いほど良いという単純な話ではありません。
ユニットエコノミクスはSaaS以外でも使える?ECや店舗での考え方
ユニットエコノミクスの「ユニット」は採算を測る単位のことで、月額課金のビジネスなら顧客1社、通販なら1注文や1顧客、店舗なら1店舗のように、事業に合わせて選びます。考え方は共通で、「1単位あたりに入ってくる利益」が「1単位を得るためにかかる費用」を上回っているかを確かめます。
例えば通販で1注文あたりの粗利が3,000円、配送費と決済手数料が1,200円なら、1注文で残るのは1,800円です。新規顧客の獲得に広告費が5,400円かかっているなら、その顧客が3回以上注文してくれて初めて獲得費用を回収できます。リピート率が低い商材では、1回目の注文だけで採算が合うか、何回目で回収できるかを先に確認しておくと、広告費をかけすぎる失敗を防げます。