値入率とは?
値入率とは、売価に占める値入額(売価−仕入原価)の割合のこと。「(売価−原価)÷売価」で計算し、原価700円の商品を1,000円で売るなら値入率30%です。小売・卸売業で販売前の価格設定の基準となる指標です。
実務での使い方
値入率は「販売前に設定した予定の利幅」、粗利率は「販売後の実績の利幅」という違いがあります。実際には値引きやロス(廃棄・破損)が発生するため、粗利率は値入率より低くなるのが普通です。値入率30%で設定しても粗利率は25%前後に落ちる、といった差が生じます。
注意したいのは、売価基準と原価基準の混同です。同じ300円の値入でも、売価1,000円基準なら30%、原価700円基準なら約42.9%と数値が変わります。日本の小売実務で値入率と言えば売価基準が一般的で、原価基準の上乗せ率は「マークアップ率」と呼んで区別します。社内やメーカーとの交渉で基準の認識がずれると価格設定を誤るため、必ず確認します。
値入率と粗利率の違い(計算式で理解する)
どちらも「売価に対する利幅の割合」ですが、時点が違います。値入率は販売前に設定した予定の利幅、粗利率は販売後に実際に残った利幅です。値入率(%)=(売価−原価)÷売価×100で、原価600円の商品を1,000円で売る計画なら値入率40%です。
実際には値下げ・廃棄・ロスが発生するため、粗利率は値入率より低くなるのが普通です。この差(値入率と粗利率の乖離)が大きい場合、値下げ販売やロスが多いというサインで、売価設定か仕入量に問題があると読み取れます。
同じ式でも時点が違う。両者の差(乖離)が大きいほど値下げ販売やロスが多いサインで、売価設定か仕入量を見直す。
値入率はどう決める?値下げの影響は?
売価の決め方には「原価÷(1−目標値入率)」の逆算式を使います。原価600円で値入率40%を狙うなら、600÷0.6=1,000円が売価です。「原価×1.4」と計算すると売価840円・値入率28.6%にしかならず、狙いより低くなる点が実務でよくある間違いです。
値下げの影響は利幅に対して増幅されます。値入率40%の商品を10%値下げすると、利幅は400円から300円へと25%減ります。セールを設計する際は「売価の何%引きか」ではなく「利幅の何%を失うか」で判断するのが値入管理の基本です。