粗利率とは?
粗利率とは、売上高に占める粗利(売上高−売上原価)の割合のこと。「粗利÷売上高×100」で計算します。商品・案件の収益性を測る最も基本的な指標で、値引き判断や価格設定の土台になります。
実務での使い方
例えば売価10,000円・原価6,000円なら粗利4,000円、粗利率40%です。ここから販管費(人件費・家賃・広告費など)を賄うため、粗利率は「会社の経費と利益の原資がどれだけ残るか」を表します。
営業実務で重要なのは、値引きが粗利に与える影響です。粗利率40%の商品を10%値引きすると、粗利は25%減ります。同じ利益を保つには販売数量を1.33倍にする必要があり、「10%引きくらいなら」という感覚がいかに危険かが分かります。
粗利率の計算方法と業種別の目安
粗利率(%)=(売上高−売上原価)÷売上高×100です。例えば売上100万円・原価60万円なら粗利40万円、粗利率40%です。値引きは粗利を直撃します。粗利率40%の商品を10%値引きすると、粗利率は33%に下がり、同じ利益額を保つには売上を約2割増やす必要があります。
目安は業種で大きく異なり、一般に卸売は1〜2割、小売は2〜3割、飲食は6〜7割、SaaS・ソフトウェアは7〜8割程度と言われます。自社の粗利率は同業種の水準と比べて評価するのが基本で、業種が違う企業との比較には意味がありません。
粗利率=粗利÷売上高×100。この商品を10%値引きすると粗利率は33%に下がり、同じ利益額を保つには売上を約2割増やす必要がある。
粗利率と営業利益率の違い
粗利率が「商品・サービスそのものの儲け」を表すのに対し、営業利益率は粗利から人件費・家賃・広告費などの販管費を引いた「本業全体の儲け」を表します。粗利率が高くても、販管費が重ければ営業利益は残りません。
営業の現場で値引き判断に使うのは粗利率です。案件ごとの販管費配分は営業担当にはコントロールできないため、「この値引きで粗利がいくら残るか」が実務上の判断基準になります。会社全体の健全性を見るときは営業利益率、と使い分けます。
粗利率から売価を逆算するには?「原価×1.3」が30%にならない理由
狙った粗利率から売価を決める式は「売価=原価÷(1−粗利率)」です。原価7,000円で粗利率30%を確保したいなら、7,000÷0.7=10,000円が売価になります。
よくある間違いは「原価×1.3」で売価を出すことです。7,000×1.3=9,100円で売ると、粗利は2,100円で粗利率は約23%にとどまります。原価に30%を上乗せする率(マークアップ率)と、売価に占める粗利の割合(粗利率)は基準が違うためです。見積もりや値決めの社内ルールでどちらの率を使うのかを明記しておくと、担当者ごとの利幅のばらつきを防げます。なお、売上総利益率・粗利益率は粗利率と同じ意味の呼び方です。