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有価証券報告書の価格転嫁調査2026|コスト上昇を書いた上場企業は87社、「価格転嫁」を書いたのは20社。値上げ交渉に有報を使う読み方

目次

時価総額上位100社の有価証券報告書では、原材料・人件費・物流費・エネルギーのコスト上昇に87社が言及し、値引き・価格競争にも46社が言及しています。ところが、その解決策である「価格転嫁」を書いた企業は20社にとどまり、うち7社は「転嫁できない場合のリスク」として、7社は「転嫁交渉を進めている」という対応として書いています。

本調査は、Digital Sales編集部による一次調査です。国内時価総額上位100社の直近2期分の有価証券報告書(計200冊)から経営戦略に関する記述を抽出し、コスト上昇・値引き圧力・価格転嫁・価格交渉・値上げ・取引適正化に関わるキーワード9種類の出現回数と言及企業数を集計しました。後半では、この結果を「取引先が上場企業のとき、値上げ交渉に相手の有価証券報告書をどう使うか」という営業の実務に落とし込みます。

  1. コスト上昇は87社、値引き・価格競争は46社、両方を書いた企業は44社。「原価は上がり、売価は下がる」を経営文書に書いた企業が半数近い
  2. 価格転嫁を書いたのは21社→20社。「転嫁できない場合」のリスク型が7社、「交渉・対応を進めている」対応型が7社。価格交渉は9社→12社
  3. 買い手として「取引先からの転嫁を受け入れる」と書いた企業がある。パートナーシップ構築宣言・労務費の転嫁指針・取適法に触れた企業は4社→7社。これらの企業への値上げ交渉は、相手の開示文書を根拠にできる
価格に関わる言葉を書いた企業数(前期→最新・時価総額上位100社) 価格に関わる言葉を書いた企業数 コスト上昇 前期 79社 最新 87社(+8社) 値引き/価格競争 前期 46社 最新 46社(±0) 買い控え/需要減退 前期 27社 最新 24社(-3社) 価格転嫁 前期 21社 最新 20社(-1社) 価格交渉 前期 9社 最新 12社(+3社) 値上げ/価格改定 前期 12社 最新 12社(±0) 取引適正化/構築宣言 前期 4社 最新 7社(+3社)
コスト上昇は87社、値引き・価格競争は46社が書く一方、価格転嫁を書いたのは20社、取引適正化・パートナーシップ構築宣言は4社→7社。

コスト上昇と値引き圧力の両方を書いた企業は44社

コスト上昇(原材料価格・仕入価格・人件費・物流費・エネルギー価格の上昇・高騰)に言及した企業は79社から87社に増え、最新期に言及がなかったのは13社(三井住友フィナンシャルグループ、東京エレクトロン、任天堂、三菱電機、中外製薬、丸紅、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、豊田通商、アステラス製薬、東海旅客鉄道、コナミグループ、セコム、日本郵船)だけです。回数が多いのは日本郵政(19回)、ニデック(17回)、KDDI(11回)、トヨタ自動車(10回)、アドバンテスト(10回)でした。業種別では電気機器は20社中15社→18社、機械は7社中5社→7社、化学は5社中5社→5社、非鉄金属は5社中5社→5社、小売業は3社中3社→3社、食料品は3社中3社→3社と、製造・小売・食品ではほぼ全社が書いています。

一方で、値引き・価格競争・価格下落・価格圧力に言及した企業も46社あり、回数が多いのはキオクシアホールディングス(6回)、ソニーグループ(6回)、富士通(6回)、デンソー(5回)、HOYA(4回)です。コスト上昇と値引き圧力の両方を書いた企業は44社にのぼります。

大企業の経営文書の半数近くが「原価は上がり、売価には下押し圧力がかかる」と書いている、ということです。取引先が上場企業なら、あなたの値上げの申し入れは、相手がすでに自社の課題として開示している問題と同じ構造を持っています(これは編集部の解釈です)。

「価格転嫁」を書いた20社はどう書いているか

価格転嫁(販売価格・製品価格・売価・料金への転嫁)に言及した企業は前期21社、最新期20社です。新たに書いたのは東海旅客鉄道、前期は書いていて最新期に消えたのはアドバンテスト、第一三共でした。責任転嫁・炭素税負担の転嫁・金利変動の転嫁・消費税転嫁・保険によるリスク転嫁は、販売価格の話ではないため除いています。業種別では電気機器は20社中5社→4社、化学は5社中2社→2社、非鉄金属は5社中2社→2社、輸送用機器は4社中2社→2社、卸売業は6社中0社→0社、保険業は4社中0社→0社です。

順位 企業名 業種 書かれ方の要約
1 トヨタ自動車 輸送用機器 リスク型 原材料価格の上昇を販売価格に十分に転嫁できない場合のリスク
8 日立製作所 電気機器 対応型 顧客企業との価格転嫁交渉、米国相互関税への対応としての価格転嫁
12 みずほフィナンシャルグループ 銀行業 記述のみ 経済環境の記述(企業の価格転嫁とインフレ)
20 JT 食料品 記述のみ たばこ税増税分の価格転嫁の経緯
29 パナソニックホールディングス 電気機器 記述のみ 物流費用への適切な転嫁の検討
38 日本郵政 サービス業 対応型 労務費の転嫁指針に沿った協力会社との価格転嫁・取引適正化(買い手として)
40 住友電気工業 非鉄金属 対応型 市況上昇時の価格転嫁交渉で損益影響を最小化
45 大塚ホールディングス 医薬品 記述のみ 原材料価格の上昇を必要に応じ販売価格に転嫁
47 キヤノン 電気機器 リスク型・対応型 コストアップ分を付加価値と合わせて価格に転嫁、気候変動対応コストの転嫁が受容されないリスク
56 ブリヂストン ゴム製品 リスク型 原材料高騰を価格への転嫁で吸収できない場合のリスク
61 京セラ 電気機器 対応型 サプライヤーからの転嫁を協議し、顧客へ価格転嫁交渉(売り手・買い手の両方)
66 SMC 機械 記述のみ サプライヤーの電気代転嫁による調達費用増加(買い手として)
67 スズキ 輸送用機器 リスク型 購入価格の上昇を販売価格に十分に転嫁できない場合のリスク
72 東海旅客鉄道 陸運業 記述のみ インフレ時の運賃・料金への価格転嫁の必要性(新規)
76 日本製鉄 鉄鋼 リスク型 原燃料高騰を鋼材価格に転嫁できない場合のリスク
77 ENEOSホールディングス 石油・石炭製品 リスク型 需給緩和時に原油価格上昇を製品価格に転嫁することが困難
83 花王 化学 対応型 原価低減と売価への転嫁で原材料高の影響を軽減
92 野村総合研究所 情報・通信業 対応型 パートナー会社との健全な価格転嫁の実現、パートナーシップ構築宣言(買い手として)
96 日本ペイントホールディングス 化学 リスク型 原材料高を製品価格に転嫁できない・転嫁が遅れる可能性
97 古河電気工業 非鉄金属 記述のみ 非鉄金属・燃料価格の製品販売価格への転嫁

書き方は2つの型に分かれます。リスク型は「転嫁できない場合に業績が悪化する」と書くもので、トヨタ自動車の「トヨタおよびトヨタの仕入先が製造に使用する原材料価格の上昇は、部品代や製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に十分に転嫁できない場合、トヨタの将来の収益性に悪影響を与える可能性があります。」が典型です。日本製鉄、スズキ、ブリヂストン、ENEOSホールディングス、日本ペイントホールディングスも同じ構文で、日本ペイントホールディングスは「また、先進技術を活かした製品の開発や販売チャネル支援の強化や新規チャネルの開拓による競争優位性の維持・向上に取り組んでおりますが、競争要因等により、原材料価格の上昇の影響を製品価格に転嫁できない可能性や、転嫁に遅れが生じる可能性があります。」と、転嫁の「遅れ」まで言及しています。

対応型は「転嫁交渉を進めている」と書くものです。日立製作所は「かかるリスクへの対応として、当グループは、研究開発によるイノベーションの強化や顧客との協創、Lumada事業の拡大の一環としてAIの活用及びHMAXの展開によるソリューションの高付加価値化、バリューエンジニアリング等による原価低減、グループ内リソースの活用拡大、顧客企業との価格転嫁交渉を図っています。」と、原価低減と並べて顧客との転嫁交渉を対応策に挙げ、経営方針でも「すでに、米国相互関税の影響抑制に向け、適切な価格転嫁等の対策を講じています。」と関税への対応として書いています。京セラは「昨今の労務費や原材料費、エネルギー価格等の高騰を受け、当社はサプライヤーからの適正な価格転嫁について協議するとともに、顧客に対して適正な価格転嫁交渉を行っています。」と、サプライヤーから受ける転嫁と顧客への転嫁を1文に並べました。住友電気工業は「しかし一部の製品についてはこのような価格決定方法を採用していないため、急激な市況価格の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、価格転嫁交渉により損益への影響は最小限にとどまると考えております。」、キヤノンは「また、様々な要因によるコストアップ分を付加価値と合わせて適切に価格に転嫁し、利益の維持・拡大を図ります。」と、転嫁を付加価値と組み合わせて説明しています(バリューセリングの考え方です)。最新期に新たに書いた東海旅客鉄道は「また、インフレの影響を強く受ける場合には、将来にわたって輸送機関としての使命を果たし、より良いサービスを提供し続けるため、鉄道の運賃・料金への価格転嫁が必要になり、これは、中央新幹線の建設に必要なキャッシュ・フローの継続的な確保にも繋がると考えています。」と、インフレ時の運賃改定の必要性を開示しました。

無料ツール 値上げの利益効果と販売減の許容幅を試算する

値上げ後に販売数が減っても総利益を維持できる範囲を確認できます。ツールの下には本調査の業種別の数字を掲載しています。

買い手として「転嫁を受け入れる」と書いた企業はどこか

価格転嫁を「売り手として顧客に求める」だけでなく、「買い手として取引先から受け入れる」立場で書いた企業があります。パートナーシップ構築宣言・労務費の転嫁指針・取適法・取引適正化に言及した企業は4社から7社(ファーストリテイリング、三菱重工業、日本郵政、セブン&アイ・ホールディングス、住友不動産、大和ハウス工業、野村総合研究所)に増えました。

日本郵政は「内閣官房及び公正取引委員会により示されている「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」にも沿った形で、協力会社の皆さまとのパートナーシップ構築に向けた取組みを継続し、価格転嫁・取引適正化を進めてまいります。」と、内閣官房・公正取引委員会の指針に沿って協力会社との価格転嫁を進めると経営方針に書いています。野村総合研究所は「当社グループでは、パートナー会社との公正な取引関係の維持と健全な価格転嫁の実現を重視しており、政府の「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策」に基づき、「パートナーシップ構築宣言」を行い、適切に価格転嫁が行われるよう努めています。」と、政府の施策名と宣言の両方を挙げました。ファーストリテイリングは「物流効率化法の要請に基づき「物流統括管理者」を配置する他、取適法に即した適切な価格協議などを行い、取引先との健全で安定した物流を展開します。」、住友不動産は「また、定期的な価格協議を励行するとともに、サプライヤー向けのアンケートを実施し、価格協議の実効性を検証、不十分な部門に対する指導を実施しております。」と、協議を制度として運用していることを書いています。

背景にある2つの制度は次のとおりです。

制度 内容 時点
労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針 内閣官房と公正取引委員会が連名で公表。発注者側に、労務費上昇分の転嫁について定期的な協議の場を設けることなどを求める 2023年11月29日公表(公正取引委員会)
中小受託取引適正化法(取適法) 下請法の改正法。「下請」の用語を見直し、協議に応じない一方的な価格据え置きへの対応や手形払いの禁止などを定める。2025年5月16日成立 2026年1月1日施行(政府広報オンライン)

買い手としてこれらに触れた企業は、価格協議に応じる姿勢を投資家に対して約束していることになります。これらの企業を取引先に持つ中小企業にとって、値上げの申し入れは「お願い」ではなく、相手が開示した方針に沿った「協議の要請」です。

値上げ交渉に相手の有価証券報告書を使う手順

取引先が上場企業のとき、有価証券報告書は金融庁のEDINETで無料で読めます。値上げ交渉の準備は次の5ステップです。

  1. 相手の「事業等のリスク」でコストと転嫁の記述を探す: 有価証券報告書の目次から「事業等のリスク」を開き、「原材料」「人件費」「物流費」「転嫁」で検索する。上位100社の87社にコスト上昇の記述があり、20社に価格転嫁の記述がある。相手が「転嫁できない場合のリスク」を書いていれば、相手自身が転嫁を必要と認めている
  2. 自社の値上げ理由を相手の言葉に合わせる: 相手が「原材料価格の上昇」と書いていれば原材料、「労務費」と書いていれば労務費で説明する。相手の購買担当が決裁者に説明するときに、自社の開示と同じ言葉で書ける状態にする。伝え方は「価格交渉の進め方」の記事を参照
  3. 値上げ率と許容できる販売減を先に試算する: 値上げ影響シミュレーターに現在価格・粗利率・値上げ率を入れると、利益の増加率と、販売数が何%減っても総利益を維持できるかが出る。相手に断られた場合の代替案(数量・納期・仕様の調整)を用意する材料になる
  4. 通知文と予告期間を整える: 値上げ通知文ジェネレーターで対象・新旧価格・適用開始日・理由を入れると、取引先向けの通知文が作れ、予告期間が十分かも判定される。相手が「定期的な価格協議」を開示している企業なら、協議の場の設定を先に依頼する
  5. 制度を根拠に添える: 自社が中小企業で相手が大企業なら、労務費の転嫁指針(2023年11月)と取適法(2026年1月施行)を交渉の根拠に書ける。相手がパートナーシップ構築宣言をしている企業なら、宣言の内容に沿った協議を求める
相手の有価証券報告書の記述 交渉での使い方
「原材料価格の上昇を販売価格に転嫁できない場合」(リスク型) 相手も転嫁を必要と認めている。自社の値上げ理由を同じコスト項目で説明する
「顧客企業との価格転嫁交渉を図っている」(対応型) 相手は自社の顧客に転嫁を求めている。仕入先からの転嫁も同じ論理で受ける必要がある
「パートナーシップ構築宣言」「労務費の転嫁指針」「取適法」 相手は価格協議に応じる姿勢を開示している。協議の場の設定を正式に依頼する
「定期的な価格協議を励行」 協議の定例化を求める。単発の値上げより、年1回の価格見直しの合意を取る
「値引き」「価格競争」「価格圧力」 相手も売価の下押しを受けている。値上げ幅を段階化し、数量・納期・仕様の調整やリベートの見直しとセットで提案する

よくある失敗

  • 「原価が上がったので」だけで申し入れる: 相手の開示に書かれたコスト項目(原材料・労務費・物流費・エネルギー)のどれに当たるかを示さないと、相手の社内で説明が通らない
  • 値上げ率だけ決めて、断られた場合を用意しない: 許容できる販売減の試算がないと、相手の逆提案(数量減・仕様変更・相見積もり)に即答できない
  • 通知だけで協議しない: 相手が「価格協議」を開示している企業でも、通知文の送付だけでは協議の場にならない。協議の依頼を先に出す
  • 制度を脅しに使う: 取適法や転嫁指針は、相手が開示した方針に沿った協議を求める根拠であって、取引を止める材料ではない。関係を続ける前提で使う
  • 有価証券報告書に書いていない=応じない、と読む: 開示は各社の判断であり、書いていない企業が転嫁に応じないわけではない。相手の購買方針は直接確認する

全9キーワードの増減一覧

キーワード 言及回数(前期→最新) 増減 言及社数(前期→最新)
コスト上昇(原材料・人件費・物流費・エネルギー) 308 → 377 +22% 79社 → 87社
値引き/価格競争/価格下落 98 → 91 -7% 46社 → 46社
買い控え/需要減退 42 → 46 +10% 27社 → 24社
価格転嫁 33 → 35 +6% 21社 → 20社
価格交渉 13 → 14 +8% 9社 → 12社
値上げ/価格改定 29 → 35 +21% 12社 → 12社
プライシング/価格戦略 31 → 32 +3% 15社 → 18社
取引適正化/パートナーシップ構築宣言 9 → 17 +89% 4社 → 7社
値上げ・価格改定(サブスク/料金) 5 → 4 -20% 2社 → 2社

数字を誤読しないための5つの注意

  1. 「転嫁」は文脈で絞っている。責任転嫁、炭素税やカーボンプライシングの転嫁、金利変動の転嫁、消費税転嫁、保険によるリスク転嫁は除きました。逆に、みずほフィナンシャルグループのように経済環境の記述として「企業の価格転嫁」を書いたものは含んでいます。
  2. 売り手と買い手の両方を含む。「価格交渉」「値上げ」は、自社が値上げする記述だけでなく、電気料金の値上げを受ける側、調達先と価格交渉する側の記述も含みます。20社の表で「買い手として」と注記した企業はその区別を示しています。
  3. 言及回数は「取り組みの深さ」ではない。有価証券報告書の記述量は会社ごとに違います。本記事は言及社数と前期からの変化で語っています。
  4. 言及ゼロ=価格転嫁をしていない、ではない。有価証券報告書は投資家向けの法定開示書類で、記載するかどうかは各社の開示判断です。
  5. 決算期が3月以外の企業が混ざっている。ファーストリテイリング(8月期)、レーザーテック(6月期)、ニデック(提出延期)は、調査時点で提出済みの直近2期分を使用しています。

調査概要

  • 調査主体: Digital Sales編集部による自社調査
  • 調査対象: 国内上場企業の時価総額上位100社(2026年9月1日終値時点、Yahoo!ファイナンス時価総額ランキングに基づく)
  • 対象文書: 各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した直近2期分の有価証券報告書のうち「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「事業等のリスク」「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記述(計200文書)
  • 調査時期: 2026年9月
  • 前回調査との関係: 対象企業・対象文書・章は「有価証券報告書のAI言及調査2026」「顧客・営業語彙調査2026」と同一です。引用文は開示文書の記述を全角半角の正規化のみ行って転記しています
  • 調査方法: 開示データから対象の章を抽出し、価格に関わるキーワード9種類の出現回数と言及企業数を集計。「転嫁」は前後の文脈から販売価格・製品価格・売価・料金への転嫁に限定し、後続の記述から「できない場合」のリスク型と「交渉・対応」の対応型に分類しました。全角半角・大文字小文字の表記ゆれは正規化しています

100社別の全データ(時価総額順)

100社すべてのコスト上昇と価格転嫁の言及回数(前期→最新)、値引き・価格競争、価格交渉、値上げ・価格改定の最新期の言及回数です。順位は時価総額順(2026年9月1日終値時点)。「-」は言及なしを表します。

順位 企業名 コスト上昇(前期→最新) 値引き・価格競争 価格転嫁(前期→最新) 価格交渉 値上げ・価格改定
1 トヨタ自動車 7 → 10 3 1 → 1 - -
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2 → 2 1 - - -
3 ソフトバンクグループ 2 → 2 1 - - -
4 キオクシアホールディングス 5 → 6 6 - - 1
5 三井住友フィナンシャルグループ 2 → 0 - - - -
6 リクルートホールディングス 1 → 2 3 - - 1
7 東京エレクトロン - - - - -
8 日立製作所 3 → 3 2 1 → 2 1 -
9 アドバンテスト 3 → 10 1 1 → 0 - -
10 ソニーグループ 3 → 4 6 - - -
11 ファーストリテイリング 2 → 2 - - 1 -
12 みずほフィナンシャルグループ 3 → 3 2 2 → 2 - -
13 キーエンス 1 → 2 - - - -
14 三菱商事 2 → 4 1 - - -
15 伊藤忠商事 2 → 3 - - - -
16 NTT 1 → 1 1 - 1 1
17 東京海上ホールディングス 1 → 2 - - - -
18 三井物産 1 → 2 2 - - -
19 村田製作所 3 → 4 1 - - -
20 JT 4 → 4 - 1 → 1 - 21
21 三菱重工業 1 → 2 1 - - -
22 ゆうちょ銀行 6 → 7 - - - -
23 KDDI 7 → 11 1 - - 1
24 信越化学工業 1 → 3 1 - - -
25 任天堂 - - - - -
26 三菱電機 - - - - -
27 中外製薬 - - - - -
28 ソフトバンク 12 → 8 2 - - -
29 パナソニックホールディングス 3 → 3 - 1 → 1 - -
30 フジクラ 2 → 2 - - - -
31 武田薬品工業 1 → 2 2 - 1 -
32 住友商事 1 → 6 1 - - -
33 丸紅 - - - - -
34 HOYA 1 → 1 4 - - -
35 ホンダ 1 → 1 - - - -
36 MS&ADインシュアランスグループホールディングス 1 → 0 - - - -
37 豊田通商 - 1 - - -
38 日本郵政 17 → 19 1 2 → 2 1 4
39 オリックス 12 → 5 - - - -
40 住友電気工業 1 → 2 2 1 → 1 1 -
41 コマツ 5 → 5 - - - -
42 富士通 4 → 5 6 - - 1
43 NEC 0 → 3 - - - -
44 第一生命ホールディングス 0 → 2 1 - - -
45 大塚ホールディングス 8 → 9 1 1 → 1 1 -
46 SOMPOホールディングス 1 → 2 - - - -
47 キヤノン 3 → 4 - 2 → 3 1 -
48 ルネサスエレクトロニクス 3 → 3 1 - 1 -
49 ディスコ 2 → 2 - - - -
50 ダイキン工業 0 → 1 - - - -
51 TDK 2 → 4 4 - - -
52 ファナック 2 → 2 - - - -
53 りそなホールディングス 3 → 4 1 - - -
54 イビデン 1 → 1 1 - - -
55 デンソー 0 → 2 5 - - -
56 ブリヂストン 3 → 3 1 1 → 1 - -
57 オリエンタルランド 5 → 4 - - - -
58 第一三共 5 → 4 - 1 → 0 - -
59 味の素 2 → 4 - - - -
60 INPEX 2 → 1 - - - -
61 京セラ 3 → 5 4 3 → 4 2 -
62 野村ホールディングス 1 → 2 3 - - -
63 三井住友トラストグループ 6 → 6 1 - - -
64 セブン&アイ・ホールディングス 9 → 9 - - - 1
65 三菱地所 2 → 2 - - - -
66 SMC 4 → 4 1 1 → 1 - -
67 スズキ 4 → 8 - 1 → 1 - -
68 アステラス製薬 - - - - -
69 富士フイルムホールディングス 5 → 5 - - - -
70 三井不動産 2 → 4 - - - -
71 東日本旅客鉄道 3 → 3 - - 1 1
72 東海旅客鉄道 - - 0 → 1 - -
73 LINEヤフー 9 → 9 - - - -
74 イオン 7 → 7 - - - 1
75 テルモ 3 → 3 - - - -
76 日本製鉄 0 → 1 2 1 → 1 - -
77 ENEOSホールディングス 3 → 4 3 1 → 1 - -
78 バンダイナムコホールディングス 9 → 10 - - - -
79 JX金属 1 → 1 - - - -
80 クボタ 2 → 2 - - - 1
81 住友金属鉱山 16 → 2 1 - - -
82 関西電力 1 → 2 - - - -
83 花王 8 → 7 - 3 → 3 - -
84 アシックス 1 → 3 - - - -
85 住友不動産 0 → 1 1 - 2 1
86 コナミグループ - - - - -
87 大和ハウス工業 7 → 9 - - - -
88 レーザーテック 0 → 8 - - - -
89 ニデック 4 → 17 3 - - -
90 レゾナック・ホールディングス 7 → 9 1 - - -
91 セコム - 1 - - -
92 野村総合研究所 1 → 3 1 4 → 4 - -
93 IHI 0 → 3 - - - -
94 大和証券グループ本社 8 → 6 1 - - -
95 日本郵船 - - - - -
96 日本ペイントホールディングス 2 → 2 1 3 → 3 - -
97 古河電気工業 7 → 8 - 1 → 1 - -
98 塩野義製薬 0 → 2 - - - -
99 アサヒグループホールディングス 7 → 6 - - - -
100 SCREENホールディングス 0 → 1 - - - -

引用・転載について

本調査の数値・グラフは、出典として「Digital Sales編集部調べ」と明記し、本記事へのリンクを設置いただければ自由にご利用いただけます。メディア・社内資料・提案資料のいずれも事前連絡は不要です。

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よくある質問

有価証券報告書で「価格転嫁」に言及している上場企業はどれくらいありますか?

時価総額上位100社のうち、最新期の有価証券報告書で価格転嫁に言及した企業は20社です(前期は21社)。うち7社は「コスト上昇を販売価格に十分に転嫁できない場合」のリスクとして、7社は「価格転嫁交渉を行っている」「適切な価格転嫁の対策を講じている」という対応として書いています。責任転嫁・炭素税の転嫁・金利の転嫁など、販売価格と無関係な「転嫁」は除いて数えました。対象は「経営方針」「事業等のリスク」「サステナビリティ」の記述で、Digital Sales編集部が2026年9月に全量集計した結果です。

コスト上昇に言及している上場企業はどれくらいありますか?

原材料・仕入価格・人件費・物流費・エネルギー価格の上昇に言及した企業は、前期79社から最新期87社に増えました。言及がなかったのは三井住友フィナンシャルグループ、東京エレクトロン、任天堂、三菱電機、中外製薬、丸紅、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、豊田通商、アステラス製薬、東海旅客鉄道、コナミグループ、セコム、日本郵船の13社だけです。同時に値引き・価格競争・価格下落に言及した企業も46社あり、コスト上昇と値引き圧力の両方を書いた企業は44社でした。

値上げ交渉で相手の有価証券報告書はどう使えばよいですか?

取引先が上場企業なら、EDINETで無料で読める有価証券報告書の「事業等のリスク」に、原材料や人件費の上昇と、それを価格に転嫁できない場合のリスクが書かれていることがほとんどです(上位100社では87社)。自社の値上げ理由を相手が使っている言葉(原材料価格の上昇・労務費の上昇・物流費の上昇)に合わせて説明すると、相手の社内で説明が通りやすくなります。さらに、パートナーシップ構築宣言や労務費の転嫁指針、取適法(中小受託取引適正化法、2026年1月1日施行)に沿った価格協議を明記している企業(7社)は、価格協議に応じる姿勢を対外的に約束しています。

この調査データは引用・転載できますか?

出典として「Digital Sales編集部調べ」と明記し、本記事へのリンクを設置いただければ、グラフ・数値とも自由に引用できます。メディアでの利用、社内資料・提案資料への転載も同じ条件で可能です。事前連絡は不要です。