GLOSSARY

スイムレーン図とは?

スイムレーン図とは、業務フロー図を担当者や部門などの役割ごとの帯(レーン)に区切り、各手順をその担当の帯の中に置いて描く図のこと。プールのコースになぞらえた名前で、誰が何をするか、どこで担当が変わるかが一目で分かります。

実務での使い方

書き方は、①登場人物を部署名ではなく「営業担当」「承認者」「顧客」のような役割で3〜7本のレーンに分ける、②手順を「〜を〜する」の形で時系列に並べて担当のレーンに置く、③判断(ひし形)には「はい・いいえ」両方の行き先を書く、④開始と終了を必ず置く、の順です。手順が15を超えるときは業務を分けて別の図にします。横に時間・縦にレーンを取る横型が画面向き、縦型はA4縦の印刷向きです。

実務での使いどころは、受け渡し(矢印がレーンをまたぐ場所)の多さを見ることです。担当が変わる場所では書類や情報を渡す待ち時間が生じ、差し戻しも起きやすいため、業務改善やシステム導入前の現状整理では、ここを先に数えて直す順番を決めます。RACI表(責任分担表)と組み合わせると、レーン(誰が)と責任(誰が決めるか)の両方を合意できます。

スイムレーン図の例:見積もりの承認フロー

見積もりの承認を例にすると、レーンは「顧客」「営業担当」「営業マネージャー」「経理」の4本です。顧客のレーンに「見積もりを依頼する」、営業担当のレーンに「見積書を作る」、営業マネージャーのレーンに「値引き率を確認する」という判断のひし形を置き、「基準以内」なら営業担当の「見積書を送る」へ、「基準超え」なら経理の「粗利を確認する」へ進めます。最後に顧客のレーンの「見積書を受け取る」で終わります。

この図で矢印がレーンをまたぐ場所を数えると、担当の受け渡しが何回あるかが分かります。基準以内なら受け渡しは4回(顧客→営業担当→営業マネージャー→営業担当→顧客)、基準を超えると経理を経由して5回になり、その分だけ回答が遅れます。基準の設定しだいで経理に回る件数がどれだけ変わるか、という改善の論点が図から読み取れます。

顧客見積もりを依頼する → … → 見積書を受け取る
営業担当見積書を作る → 見積書を送る
営業マネージャー値引き率を確認する(基準以内/基準超えで分岐)
経理粗利を確認する(基準超えのときだけ)

見積承認のスイムレーン図をレーンごとに書き出した例。レーンをまたぐ矢印の数が受け渡しの回数になる。

スイムレーン図とフローチャート・BPMNの違い

フローチャートは手順の順番と分岐を表す図で、誰が行うかは図の上では区別しません。スイムレーン図はフローチャートに「担当の帯」を加えたもので、手順と担当を同時に示せる点が違います。担当者が1人で完結する作業ならフローチャートで十分で、部署や役割をまたぐ業務ほどスイムレーン図が役立ちます。

BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)は、業務フローの記号を国際的に標準化した表記法で、組織をプール、その中の役割をレーンとして描くなど、スイムレーンの考え方を取り込んでいます。記号の種類が多く厳密に書ける一方、慣れていない人には読みにくいため、社内の打ち合わせや現状整理には記号を絞ったスイムレーン図、システム化の設計にはBPMN、と使い分けるのが現実的です。

この用語に関連する無料ツール

もっと詳しく学ぶ

関連用語

最終更新: ・ 作成:Digital Sales 編集部

← 用語集の一覧に戻る