BPR(業務改革)とは?
BPR(業務改革)とは、既存の業務プロセスを部分的に改善するのではなく、目的から捉え直して抜本的に再設計すること。「その作業は本当に必要か」から問い直す点で、日常的な業務改善(カイゼン)とは区別されます。
実務での使い方
典型的な進め方は、①現状業務の棚卸し(誰が・何を・どれくらいの時間で)、②あるべき姿の設計、③システム・体制の変更、の順です。例えば紙の稟議を電子化する際、単なる電子化ではなく、承認者を5人から2人に減らす・少額決裁を現場に委譲する、といった見直しがBPRです。
よくある誤解は「BPR=システム導入」とすることです。現行業務をそのままシステムに載せ替えると、非効率もそのまま引き継がれます。RPAやワークフローシステムの導入前にBPRで業務を整理するのが正しい順序で、「なくす→減らす→自動化する」の優先順位で検討します。
BPOとは?BPRとの違い
BPOとは、経理・給与計算・コールセンターなど特定の業務プロセスを、まとめて外部の専門企業に委託すること。単発の外注と異なり、業務の設計・運用・改善まで含めて継続的に任せるのが特徴です。
対象になりやすいのは、経理・年末調整・受付・ヘルプデスク・コールセンターなど、専門性はあるが自社の差別化に直結しない定型業務です。採用が難しい職種を外部の専門チームに任せ、社員をコア業務に集中させられます。料金は業務量に応じた月額制が一般的です。
注意点は、業務を丸投げするとノウハウが社内に残らず、切り替えコストが高くなることです。委託範囲と品質基準(SLA)を契約で明確にし、業務手順書を自社側でも保持するのが実務の定石です。1人分に満たない業務量なら、BPOよりツール化や自動化が合う場合もあります。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、稟議・経費精算・休暇申請などの申請・承認の流れを電子化するシステムのこと。紙とハンコの回覧をなくし、承認の滞留を可視化できるため、決裁までの時間短縮に直結します。
典型的な適用先は、稟議・購買申請・経費精算・押印申請・入退社手続きです。「誰がいつ承認したか」が記録されるため内部統制の証跡にもなります。承認ルートを条件で自動分岐でき、例えば10万円未満は課長決裁、以上は部長決裁、といったルールをシステムに載せられます。
導入時の失敗は、紙の承認フローをそのまま電子化してしまうことです。承認者が多すぎる運用はシステム化しても遅いままなので、導入を機に承認段階を減らすのが定石です。滞留レポートで「誰のところで止まっているか」を可視化できるのも、紙にはない利点です。
ペーパーレス化とは
ペーパーレス化とは、紙で扱っていた書類(契約書・請求書・稟議書など)を電子データに置き換えること。印刷・保管コストの削減に加え、検索性の向上、リモートワーク対応、電子帳簿保存法への対応とも関わる取り組みです。
進めやすい順序は、①社内文書(稟議・報告書)→②経費精算の領収書→③契約書(電子契約)→④請求書です。電子化すると、キーワード検索で書類を数秒で探せる、社外からでも承認が止まらない、保管スペースと郵送費が減る、といった効果が出ます。
注意点は、電子帳簿保存法により、電子で受け取った請求書等は電子のまま一定の要件で保存する必要があることです(要件の詳細は経理・税理士と確認します)。また「スキャンしてPDFを置くだけ」ではかえって探せなくなるため、命名ルールと保存場所の設計をセットで行います。