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CSATは、満足と定義した回答の件数を、有効回答数で割って100を掛けて計算します。この記事では5段階評価の4・5を満足とする方式に絞り、集計表から報告文までを作ります。
カスタマーサクセスでサポート対応後や導入支援後の感想を測るとき、満足割合だけでは回答の中身が見えません。同じ数値を比べるための条件と、平均点との違いを先に整理しましょう。
まず5段階の件数を揃える
CSAT(Customer Satisfaction Score)は顧客満足度を示す指標です。Qualtricsの解説では、5段階の上位2段階を選んだ回答の割合で計算します。SurveyMonkeyの計算ガイドも、満足と数える範囲、分母、回答数を明記することを扱っています。
以下は「今回の初期設定サポートにどの程度満足しましたか」という質問をした設定の、説明用の架空データです。実施した顧客調査や改善実績ではありません。
| 選択肢 | 件数 | 満足回答 | 点数×件数 |
|---|---|---|---|
| 5:非常に満足 | 18 | 含める | 90 |
| 4:満足 | 22 | 含める | 88 |
| 3:どちらともいえない | 7 | 含めない | 21 |
| 2:不満 | 2 | 含めない | 4 |
| 1:非常に不満 | 1 | 含めない | 1 |
| 合計 | 50 | 満足は40件 | 204 |
集計するのは同じ質問・対象期間の回答です。質問が空欄の回答は、この表に入れません。「未回答」を中立の3へ置き換えると、実際には選ばれていない評価が集計に混ざります。
40件÷50件でCSATを計算する
この例の満足回答は18+22=40件、有効回答は50件なので、CSAT=40÷50×100=80.0% です。「回答者の80%が4または5を選んだ」と読みます。回答していない顧客を含む全顧客の80%が満足した、とは言えません。
中立の7件は分子には入れませんが、分母には入れます。仮に中立を除いて40÷43とすると約93.0%になり、別の集計規則になります。集計の途中で都合よく除外せず、規則を固定して報告します。
有効回答が0件のときは、0÷0を計算できません。0%とすると「回答があり、満足側が0件」と区別できなくなるため、「有効回答なし」と記録します。
5から順に18・22・7・2・1件を入力すると、この記事と同じCSAT・平均点・内訳を確認できます。「50件の回答」の例ボタンでも試せます。
5段階で4・5を満足とする方式専用です。7段階や最高評価のみを数える方式には対応していません。
平均4.08点とCSAT80%は何が違う?
平均点は、点数×件数の合計204を50件で割った4.08点です。CSAT80%と食い違っているのではなく、集計しているものが違います。
たとえば4の回答が1件だけ5に変わると、平均点は4.10点へ上がります。一方、4も5も満足側なのでCSATは80%のままです。3の回答が1件4に変わった場合は、満足が41件になり、CSATは82%になります。この例では1件が2パーセントポイントに相当します。
平均点を5で割ると4.08÷5×100=81.6%ですが、これは「最大点に対する平均点の割合」です。満足側の回答割合80%と同じ欄に混ぜないよう、報告書には指標名と算式を添えます。
報告には割合・母数・条件を一緒に残す
割合を報告するときは、何の体験を、誰に、いつ質問した結果かを併記します。対象を限定したKPIとして使うためです。次はそのまま書式の参考にできる架空例です。
対象:対象月に初期設定サポートを利用した回答者
質問:今回の初期設定サポートにどの程度満足しましたか
尺度:1〜5の5段階。4・5を満足、3も分母に含める
CSAT:80.0%(満足40件 / 有効回答50件)
平均点:4.08 / 5点(別指標)
内訳(5→1):18 / 22 / 7 / 2 / 1件
集計期間・回収時期:実際の調査条件を記入
次に確認すること:不満側の理由と、回答対象に偏りがないか
ツールのコピー結果には、入力していない対象・期間・質問文は入りません。実際の調査記録から追記します。自由記述の内容を共有するときも、顧客を特定できる情報の扱いは社内のルールに従います。
前月より上がったときに確認する順序
CSATの上昇だけでは、施策が効いたかは確定しません。次の順に比較条件を揃えます。
- 質問と尺度 — 質問文や選択肢、満足と数える範囲が変わっていないか。変更した場合は過去と同じ系列として扱わず、変更点を記録します。
- 対象と回収時期 — オンボーディング直後と通常サポート後が混ざっていないか。対応直後と数週間後では、思い出している体験が違う可能性があります。
- 回答数と回答者の偏り — 少数回答で1件がどのくらい動かすか、特定の利用者だけが答えていないかを確認します。回答率を出すなら、依頼数を別に記録します。
- 理由と対応 — 低評価をすぐ担当者の責任にせず、自由記述や対応記録から、待ち時間・説明・解決状況など何を確かめるべきか整理します。
よくある失敗:チーム別の割合を単純平均する
件数が異なる複数チームのCSATをまとめる場合、割合の単純平均は避けます。同じ調査条件で集計を統合できるなら、満足件数を合計し、有効回答数の合計で割ります。条件が違う調査は無理に1つにまとめません。
NPSやヘルススコアと使い分ける
NPSは推奨意向を尋ねる別の指標です。CSATの5段階の件数をNPSの推奨者・中立者・批判者へ置き換えて計算することはできません。
また、ヘルススコアは利用状況や関係性などから顧客の状態を整理するための指標です。満足度が高いことと、契約の更新意思があることも同一ではありません。CSATで体験の改善点を確認し、更新の意思や利用状況はそれぞれ別に確かめます。
よくある質問
CSATはどう計算しますか?
この記事では5段階の4・5を満足とし、その件数を1〜5の有効回答数で割って100を掛けます。3の中立回答も分母に含め、未回答は除きます。尺度や満足の定義が異なる方式とは区別して報告します。
顧客満足度の平均点とCSATは同じですか?
同じではありません。平均点は全回答の点数を平均する値、CSATは満足と定義した回答の割合です。平均点を5で割って100を掛けても、この記事のCSATにはなりません。
CSATは何%を目標にすればよいですか?
全企業・全調査に共通する合格値はありません。質問、回答対象、尺度、回収時期を揃えた自社の推移を出発点にします。回答件数と理由も確認し、割合だけで施策の効果を決めないことが大切です。