NRR計算ツール(売上維持率)

期初のMRRと増額・減額・解約の金額から、NRR(売上維持率)とGRRを計算する無料ツール。期初→期末の内訳図・実数入りの計算式・3年後の売上見通しグラフで、SaaS指標がはじめての人でもNRR・GRR・MRR・ARRの関係が直感的にわかります。

  • 登録・ログイン不要
  • 無料
  • 入力値をサーバーに送信しません
NRRの計算書

左の ① から順に入れると、NRR・GRR と「期初 → 期末で何が起きたか」の図が出ます

期初から期末までの売上の増減

② 期初MRR → ③ 増額 → ④ 減額 → ⑤ 解約 の順に入れてください。

報告文を確認する開く +
新規顧客の売上を除いて、既存顧客の売上が維持できているかを確認します。

GRRの目安は90%以上。判定の根拠は下のガイド・FAQで確認できます。

期初MRRと増減を入れる
迷ったら年次でOK
既存顧客の月額課金の合計
上位プラン移行・追加購入
下位プランへの変更
契約終了

MRR=毎月くり返し入ってくる継続売上。期間中に獲得した新規顧客の売上は入れません(NRRは「期初にいたお客さまのその後」だけを見ます)。変化がなかった項目は 0 でOK。

減額・解約は期初売上のうち失った額にそろえ、重複して計上しません。期中に増額した分の取り消しは、減額・解約に足さず増額から差し引きます(GRRを期初売上ベースで比較するため)。

例:

入力内容はブラウザ内だけで計算・保存され、サーバーには送信されません。「条件のURL」も入力値を#以降に載せるためサーバーへは送られませんが、URLを共有した相手は入力値を見られます。無料・登録不要で使えます。

USE CASESこんな場面で使える

  • 経営・投資家への報告NRR・GRRを毎回同じ基準で計算して月次・四半期報告に載せる
  • CSチームのKPI設計解約率だけでなく、増額まで含めた維持率でチームの目標を立てる
  • 大口解約・プラン改定の影響試算起きうる解約や値上げがNRRに与える影響を事前に確認する

FORMULA計算式・仕組みと根拠

  • NRR(%) = (期初MRR + 増額 − 減額 − 解約) ÷ 期初MRR × 100
  • GRR(%) = (期初MRR − 減額 − 解約) ÷ 期初MRR × 100(増額を含めない維持率)
  • 期末MRR = 期初MRR + 増額 − 減額 − 解約、ARR換算 = 期末MRR × 12
  • 将来の既存売上見通し = 年次はNRRを毎年掛け合わせ、月次はNRRの12乗を年率として掛け合わせる(同じ率が続く仮定)
  • 根拠: NRR(Net Revenue Retention)とGRR(Gross Revenue Retention)は、新規獲得を除いた既存顧客の売上維持・拡大力を表すSaaS・サブスクリプションの標準指標です。判定の目安(NRR100%以上=健全、110%以上=優秀、GRR90%以上=健全)は、上場SaaS企業の開示や投資家評価で広く使われる水準です。

EXAMPLE入力例と結果の読み方

例ボタン「健全(NRR 101%)」と同じ、年次・期初MRR500万円・増額30万円・減額10万円・解約15万円を入力すると、NRR101.0%・GRR95.0%、1年後の既存売上見通しは505万円(+5万円)です。NRRが100%を超えているので「新規獲得がゼロでも既存顧客だけで売上が増える状態」=健全と読みます。GRR95.0%は毎年5%の売上が減額・解約で失われるという意味で、それを増額で補えている構図です。GRRが90%を下回る場合は、増額を伸ばす前にまず解約の穴をふさぐのが定石です。

PITFALLSよくある間違い

  • 新規顧客の売上を期初MRRや増額に含めてしまう(NRRは期初時点の既存顧客だけで計算する)
  • 年次と月次の数字を混ぜる(月次の解約額に年次のMRRを合わせる等。期間はそろえる)
  • 導入支援費やスポット売上など、継続課金でない金額を含めてしまう

NOTES境界条件・注意点

  • 期初MRRが空欄・0の場合は計算されません
  • GRRは定義上100%を超えません(増額はNRRだけに反映されます)
  • 1〜3年後の見通しは「同じ率が続く」仮定の概算です。季節性や大口の更新月がある場合は実態とずれます

NRR・GRR・MRR・ARRの関係(はじめてでもわかる図解)

SaaSの売上指標は略語が多くて身構えますが、関係はシンプルです。土台になるのがMRR(毎月くり返し入ってくる継続売上)。それを年額に直したものがARR。 そして「期初にあったMRRが、その後どれだけ残ったか」を測るのがNRRとGRRです。

MRRとARRは同じ売上の「月額」と「年額」

MRR毎月の継続売上× 12ヶ月 =ARR年間の継続売上

GRRは「守り」だけ、NRRは「守り+攻め」を数える

期初
100
GRR
90%(守れた分だけ)
NRR
106%(守れた分+増額)

解約・減額で10を失っても、増額で16を取り返せばNRRは106%。GRRは増額を数えないので90%止まりで、定義上100%が上限です。

指標一言でいうと計算
MRR毎月くり返し入ってくる継続売上(月額)月額課金の合計
ARRMRRを年額に直したものMRR × 12
GRR期初の売上をどれだけ守れたか(増額は数えない・上限100%)(期初MRR − 減額 − 解約) ÷ 期初MRR
NRR守れた分+増えた分を合わせた維持率(100%超なら既存だけで成長)(期初MRR + 増額 − 減額 − 解約) ÷ 期初MRR

NRR・GRRの目安早見表(判定基準)

NRR(売上維持率)の判定は、上場SaaSの開示や投資家評価で広く使われる次の水準が基準になります。 上のツールの判定もこの区分で行っています。

NRR評価状態の意味
120%以上トップクラス拡大収益が非常に強い。米上場SaaSでも上位グループの水準
110〜120%優秀投資家が「優良SaaS」と評価する目安ライン
100〜110%健全新規獲得がゼロでも、既存顧客だけで売上が維持・成長する
90〜100%注意流出超過。増額で補えておらず、既存売上は縮小に向かう
90%未満危険解約・減額に構造的な問題。増額施策より流出対策が先

GRR(増額を含めない維持率)は90%以上が健全の目安です。大企業向けサービスなら95%以上、 中小企業向けでは80%台になることも珍しくありません。GRRは定義上100%を超えません。

月次NRRと年率換算の対応表

NRRは月次でも年次でも計算できますが、月次の値を年率にするときは12倍ではなく12乗で換算します。 月次ではわずかな差に見えても、年率では大きな差になります。

月次NRR年率換算意味
99.0%88.6%1年で既存売上が1割強縮小する
99.5%94.2%年6%弱の縮小
100.0%100.0%維持
100.5%106.2%年6%成長
101.0%112.7%年率では「優秀」ラインを超える
102.0%126.8%年率ではトップクラスの水準

どの金額をどこに入れるか(集計の分類ルール)

実務で迷いやすいケースの分類です。毎回同じルールで集計することが、推移を比較できる条件になります。

ケース分類補足
上位プランへの移行・ユーザー数追加増額既存顧客の拡大(エクスパンション)の中心
値上げ(価格改定)による単価増増額集計には入れるが、実力による拡大とは分けて把握する
下位プランへの変更減額
契約終了解約
一時停止・休眠社内ルールで固定解約扱いにするか対象外にするか、毎回同じ扱いにする
期間中に獲得した新規顧客含めないNRRは期初にいた顧客のその後だけを追う
導入支援費・スポット売上含めない継続課金の金額だけで計算する

MRRブリッジ(ウォーターフォール)としての使い方

このツールの入力(期初MRR・増額・減額・解約)は、そのままSaaSの月次報告の標準形式であるMRRブリッジ(ウォーターフォールチャート)の4分解です。 月初のMRRから月末のMRRへ「New・Expansion・Contraction・Churnの何がいくら動かしたか」を 橋を架けるように示す形式で、投資家報告・経営会議で広く使われます。 毎月同じ分類で入力して結果をコピーすれば、月次のMRRブリッジ報告がこのツールだけで完成します。 分解の考え方の詳細は用語集のMRR・ARRを参照してください。

新規顧客の売上はどの指標で見るか

NRR・GRRは新規獲得をあえて除いて「既存のお客さまを守り育てる力」だけを測る指標です。 新規獲得したMRRを含めて見たいときは、役割の違う次の指標を使います。

NRRが見るのは「既存だけ」、純増MRR・MRR成長率は「新規も含む」

期初
100
既存
106(NRRはここまで)
全体
130(新規も含む)
維持90増額+16新規+24

新規で+24を獲得すると全体のMRRは100→130(純増MRR+30、MRR成長率+30%)。それでもNRRは新規を数えず (90+16)÷100=106%のまま。「既存を守り育てる力」と「新規獲得の勢い」を混ぜずに測るための約束事です。

指標計算見るもの
純増MRR(Net New MRR)新規 + 増額 − 減額 − 解約新規を含めて、今月MRRがいくら純増したか(金額)
MRR成長率(期末MRR − 期初MRR) ÷ 期初MRR新規を含めた事業全体の成長スピード(率)
SaaSクイックレシオ(新規 + 増額) ÷ (解約 + 減額)流出1円に対して何円獲得できているか。4以上が効率よい成長の目安

クイックレシオ=入ってくる売上 ÷ 出ていく売上

獲得
+40(新規24+増額16)
流出
−10(解約+減額)

クイックレシオ = 獲得40 ÷ 流出10 = 4.0。流出1円あたり4円を新しく獲得できている 「バケツの穴より蛇口が大きい」状態です。4以上が効率よく成長できている目安です。

使い分けの型: 全体の成長はMRR成長率・純増MRRで、その中身が「穴の空いたバケツ」になっていないかをNRR・GRR・クイックレシオで確かめる、という役割分担です。

経営報告の文例

今期のNRRは101.0%(前期99.2%)、GRRは95.0%でした。
解約▲3.0%・減額▲2.0%に対して増額+6.0%が上回り、既存顧客売上は維持成長の圏内です。
GRRは目安の90%を維持していますが、解約の約半分が「担当交代後の活用停止」に
集中しているため、来期はオンボーディングの再実施(3社)と、ヘルススコアで
警戒判定となった顧客(5社)への先回り対応を実施します。

上のツールの「報告文をコピー」で数字入りの下書きが出ます。NRR・GRRの数字に増減の内訳と 「次にやること」を添えるのが経営報告の型です。

計算式の背景とNRRを100%超に持っていく打ち手はNRR(売上維持率)の解説記事で、 指標の定義は用語集のNRR(GRRの節あり)MRR・ARRで解説しています。 解約側の影響を金額にするには解約率インパクト計算ツールが使えます。

FAQよくある質問

NRR(売上維持率)はどうやって計算しますか?

NRR(%)=(期初MRR+増額−減額−解約)÷期初MRR×100で計算します。期初時点の既存顧客だけを対象にし、期間中の新規獲得は含めません。増額を含めないGRR(%)=(期初MRR−減額−解約)÷期初MRR×100も同時に計算します。

NRR・GRRの目安はどのくらいですか?

NRRは100%以上が健全、110%以上なら優秀とされ、上場SaaS企業の中央値はおおむね100〜110%です。GRRは90%以上が健全の目安ですが、中小企業向けサービスでは80%台も珍しくありません。NRRが100%を超えていれば、新規獲得がなくても既存顧客だけで売上が成長する状態です。

NRRと解約率(チャーンレート)はどう違いますか?

解約率は「失った売上・顧客」だけを見る指標、NRRは解約・減額で失った分とアップセルで増えた分を合算した「純額の維持率」です。解約率が同じでも、増額を作れているかどうかでNRRは大きく変わるため、CSの総合力はNRRのほうが正確に表せます。

NRRとは何の略ですか?

NRRはNet Revenue Retention(ネット・レベニュー・リテンション)の略で、日本語では「売上維持率」「売上継続率」と訳されます。期初にいた既存顧客の売上が、1年後(または1か月後)に何%まで残ったか・増えたかを表すSaaS・サブスクリプションの標準指標です。

NRRとNDRは同じ指標ですか?

同じ指標です。NDR(Net Dollar Retention)はNRRの別名で、計算式も判定の目安も変わりません。米国のSaaS企業ではNDR、日本ではNRRという表記が使われることが多いだけの違いです。

NRRの計算に新規顧客の売上を含めてよいですか?

含めません。NRRは「期初時点にいた既存顧客」だけを追跡する指標のため、期間中に獲得した新規顧客の売上は期初MRRにも増額にも入れないでください。新規を含めてしまうと、既存顧客が離れていても数値が良く見えてしまい、指標の意味が失われます。

月次NRRを年率に換算するには?

月次NRRを12乗します。例えば月次NRR101.0%なら1.01の12乗=約112.7%が年率換算値です。単純に12倍したり「1%×12か月=12%」と足し算するのは誤りで、毎月の維持率は掛け算で積み上がります。本ツールの3年後見通しも同じ考え方で計算しています。

NRRが100%を下回ったら何から手をつけるべきですか?

まずGRRを確認し、90%を下回っていれば解約・減額の抑止を最優先にします。GRRが健全(90%以上)なのにNRRが100%未満なら、失っている額は小さいのにアップセルが不足している状態なので、既存顧客への上位プラン提案や利用拡大の施策が先です。増額と解約のどちらが効いているかを切り分けずに施策を打つと空振りします。