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BtoBカスタマージャーニーマップの作り方|担当者視点の記入例

目次

BtoBのカスタマージャーニーマップは、法人顧客の担当者が目的を達成するまでの行動・接点・考え・感情を時系列で整理する図です。作るときは、1人の担当者の視点を決め、社内の関係者とのやり取りと、確認済みの事実・仮説を分けて書きます。

「認知→比較→購入」を埋めても、誰が何に困っているかが分からなければ施策を決められません。この記事では、営業支援サービスを導入する担当者の架空例で、記入から無料ツールでの保存、次の確認作業までを扱います。

BtoBでは担当者と決裁者をどう分ける?

BtoBでは、検討する人・使う人・承認する人が異なる場合があります。まず誰の体験を改善するのかを決め、途中で主語を入れ替えないことが重要です。

Nielsen Norman Groupの説明も、1枚のマップには1つの視点を置き、別の利用者の視点は別のマップで扱うよう整理しています。ペルソナは細かな人物設定を増やすためではなく、この主語と置かれた状況を揃えるために使います。

次の表は本記事の架空の役割分担です。会社によって、1人が複数の役割を兼ねることもあります。

役割 この例で確認すること 主役のマップへの書き方
導入担当者(主役) 現場で使えるかを調べ、社内合意を得たい 行動・考え・感情を書く
現場の利用者 入力にかかる手間、日々の業務との適合 担当者が試用を依頼し、意見を集める相手として書く
情報システム担当者 権限・連携・運用条件 担当者が条件を確認する相手として書く
決裁者 導入の必要性、費用、優先順位 担当者が説明し、判断材料を確認する相手として書く

たとえば行動欄が「担当者が比較資料を作る」なのに、感情欄が「社長が費用を不安に思う」では、誰の体験かが混ざります。主役が担当者なら「費用の説明に必要な材料が足りない」と書き、決裁者の懸念そのものは別途確認します。BANTで扱う決裁権や予算の情報も、担当者の感情とは別の情報です。

記入例:営業支援サービスを社内で使い始めるまで

ここからは実在の企業への調査結果ではなく、書き方を説明するための仮説例です。主役は「商談情報の共有を任された営業企画担当者」、目的は「現場の負担を増やさず、必要な商談情報を共有できるサービスを選ぶ」とします。

対象範囲は困りごとの整理から初回運用まで。更新・解約の体験まで一度に詰め込まず、必要になったら別の目的で作ります。

段階 主役の行動 確かめたいこと 自社で用意する支援案
困りごとを整理する 営業会議で不足している情報を集める どの情報が、どの場面で見つからないか 現状の情報管理を整理する記入用紙
候補を絞る 必須条件を決め、候補を3社並べる 連携条件や権限で候補から外れるものはないか 必須条件を確認できる説明資料
現場で試す 利用者2人に同じ作業を試してもらう 普段の業務で入力を続けられるか 実際の業務に沿った試用課題
社内で説明する 費用と試用結果をまとめ、決裁者に説明する 誰が何を確認すると判断できるか 費用内訳と、効果を試算した前提
使い始める 初期設定と問い合わせ先を共有する 最初の作業を自力で終えられるか 初回作業の手順と相談先

3社・2人はこの記入例の条件であり、最適な比較社数や必要な調査人数を示すものではありません。順番も固定ではなく、条件が合わなければ候補選びへ戻ります。一本道の図にしたことで、実際の行き戻りをなかったことにしないでください。

「現場で試す」の1列を詳しく書くと?

前の表から1段階を選び、ツールに入れられる内容へ具体化します。以下もすべて説明用の仮説です。

記入欄 入れる内容の例
お客様の行動 現場の利用者2人に、商談登録から引き継ぎまでを試してもらう
接点 デモ担当者との相談、試用環境
考えていること デモではできたが、忙しい日も入力してもらえるだろうか
気持ち 未確認なので、まだ分からない・未選択
困りごと 利用者に何を試してもらい、どう意見を集めるか決まっていない
改善案 代表的な作業を3つに絞った試用手順を用意する
根拠 仮説・まだ顧客に確認していない
確認メモ 導入担当者に、試用時に集めた意見と残った疑問を聞く。手順提供の効果は未確認

「考えていそうなこと」と「本人がそう話したこと」は分けます。気持ちが分からなければ空欄のままで構いません。なめらかな感情の線を描くことより、どこが未確認なのか分かることを優先します。

事実と仮説を分けて作る5つの手順

  1. 今回の判断を決める。「比較資料を増やすべきか」など、マップを見て決めたいことを1つ書きます。売上向上という大きな目標だけでは、調べる場面が広がりすぎます。
  2. 主役・目的・範囲を決める。「導入担当者が、現場の試用結果をもとに、社内説明の準備をする」のように書きます。決裁者の体験を知りたいならマップを分けます。
  3. 手元の記録を行動に置き換える。CRMの商談記録や問い合わせから、何をしたか・何を質問したかを抜き出します。資料を開いた事実だけで「購入意欲が高い」とは断定しません。
  4. 分からない部分を質問にする。「不安があるはず」で終わらせず、「社内説明の準備で足りなかった情報は何か」など、確認できる質問を残します。発言を記録するときは、確認日と対象の範囲も付けます。
  5. 支援案と確かめ方を1組にする。「試用手順を渡す→どの作業で止まったかを次回聞く」のように、施策と確認方法を結びます。担当者・実施予定日・確認日も別の作業メモに残します。

顧客との接点から改善を考える点はカスタマーサクセスにもつながります。ただし、マップに記入しただけでは効果を実証したことにはなりません。

無料ツールで記入・保存する方法

カスタマージャーニーマップ作成ツールは、5段階に沿って入力し、図として確認するためのツールです。5段階は入力用の枠で、すべてのBtoB購買に共通する段階数ではありません。

  1. 「例で試す」から「会社でサービスを導入する」を選ぶ。現在の入力は架空例に置き換わるので、作業中の内容があれば先に編集データを保存する。
  2. 商品・サービス、お客様、かなえたいことを、自分が扱う場面に書き換える。
  3. マップの段階名を押し、行動・接点・考え・気持ちを編集する。「困りごと・改善案・根拠を追加する」を開き、段階名と確認メモも合わせる。
  4. 未確認の気持ちは「まだ分からない・未選択」に変更する。顧客に確認した場合も、確認メモに確認できた範囲と残る仮説を書く。
  5. 「マップをコピー」で作業メモへ移すか、「保存・読み込み」から編集データを保存する。資料として見せる場合は「印刷・PDF」を使う。

編集データはJSON形式で、同じツールへ読み込んで続きから編集できます。ブラウザ内の自動保存もありますが、端末やブラウザを替えて使う場合は編集データを持ち出します。Excel・PowerPoint形式の直接出力ではありません。

無料ツール 担当者の行動と、未確認の点を1枚に整理する

5段階の行動・接点・考え・感情に、困りごとと確認メモを付けてマップを作れます。架空のBtoB例から書き換えられます。

気持ちの線は記入内容の整理です。顧客満足度を測定した数値ではありません。

よくある失敗:図を埋めて終わらせない

失敗 見直し方
営業の提案手順だけを書く 「資料を送る」から「担当者が資料を読み、社内説明に使う情報を探す」へ主語を変える
担当者と決裁者の感情を同じ線でつなぐ 主役を固定し、別の視点は別のマップへ分ける
生成AIの案を調査結果として使う 仮説と記載し、手元の記録や顧客への確認で検証する
顧客に一部を聞いたので列全体を確認済みにする 何を確認し、何がまだ仮説かを確認メモに残す
全段階に施策を増やす 判断材料が足りず止まっている場面を選び、支援案と確認方法を決める

完成後の会議では、各列を説明するだけでなく「どの事実が足りないか」「次に何を確認するか」を決めます。たとえば試用手順を改善したなら、次の商談で、試せた作業・止まった作業・不足した情報を記録します。数件の感想から売上増加を断定せず、まず対象の困りごとが解消されたかを確かめます。

よくある質問

BtoBのカスタマージャーニーマップは誰を主役にしますか?

まず、改善したい体験を持つ担当者を1人の視点として選びます。決裁者・利用者・情報システム担当者は、その人が関わる相手として記録します。別の人の行動や感情を詳しく調べる必要がある場合は、別のマップに分けます。

顧客に聞いていない段階でも作れますか?

仮説のマップとして作れます。ただし確認済みの事実と区別し、どの部分を誰に確かめるかを残します。営業担当者の推測や生成AIの回答を、顧客が実際に言ったこととして記載しないでください。

無料ツールで作ったマップは保存できますか?

本文から案内するツールは、テキストのコピー、印刷・PDF、編集データの保存に対応しています。編集データはJSON形式で、同じツールに読み込んで続きから編集できます。ExcelやPowerPointの編集ファイルを直接出力する機能ではありません。