01.こんな人に読んで欲しい
早速ですが、皆さんはデジタルマーケティングと聞いて何を想像しますか?
即座にに「デジタルマーケティングとはこういうものだ」と人に説明出来るという人は、すでに世の中的にもかなり希少な部類に入ります。
それ程にデジタルマーケティングや、そもそもマーケティングという定義はあいまいで、理解している人は少ないのです。
私自身、デジタル専業の広告代理店やマーケティングオートメーションのツールベンダーで、企業のデジタルマーケティングを長く支援してきました。
本記事は、デジタルマーケティング初心者や、これから学ぼうとしている方に向けた「はじめてのデジタルマーケティング」入門編となります。
・これから学びたい方
・デジタルマーケティングを説明できない方
02.デジタルマーケティングを学ぶメリット
世の中がデジタル化していく中、デジタルマーケティングのスキルをもった人は非常に市場価値の高い人間です。
理由はシンプルで、デジタルマーケティングを最大限活用すれば企業や個人は大きな売上や成果を出す事ができるにも関わらず、精通している人が少ないからです。
この領域で日本は、アメリカと比べて5年遅れていると言われています。
得られるメリット
この領域を学ぶわかりやすいメリットを挙げるとすれば
・転職先が豊富
・個人に紐づく能力
・会社が変わってもスキルが横展開できる
・個人で商売をする場合も大いに活用できる
等など、サラリーマンとしても、個人事業主としても非常におすすめな能力です。
特に転職市場での価値は高いと言えるでしょう。マーケターとしての転職を検討しているならマーケター特化型の転職エージェントなどもあります。
03.そもそもマーケティングとは?
本題に入るにあたり、そもそもマーケティングとは何なのかについて、触れておく必要があります。
まず、マーケティングを直訳できる日本語の単語はありません。近い単語としては「商売」や「買われる仕組み」かなと個人的には思います。
一番シンプルで分かりやすいのは、現代マーケティングの父フィリップ:コトラーが定義している「ニーズに応えて利益を上げること」でしょう。
序盤なので、さらに分かりやすくする為に一つ例をあげます。
仮に世界中にまだ「靴」が無いとしましょう※ありえない話ですが仮です
「ニーズに応えて利益を上げる」為には、まずニーズをなるべくたくさん正確に拾い集める必要があります。
そして、集めたニーズを分析しそれに応える事が出来る、商品やサービスを生み出します。
ここでは、「靴」という商品を生み出しました。
商品やサービスができたら、それをニーズを持った人に届けて、利益を得ます。
ニーズがあり、靴を買ってくれる可能性がある人は、目の前の人だけでは有りません。
まだ靴を知らない人もたくさんいるので、その人達に靴を知ってもらう事で、さらに多くのニーズに応える事ができるかもしれません。
「当たり前のことじゃないか」と思うかもしれません。しかし、この一連の流れ全てがマーケティングの要素なのです。
・ニーズを満たすものを生み出す
・利益を得る
・広める
・継続的に売れる仕組みを考える
今回はデジタルマーケティングがテーマなので、これ以上深堀りはしませんが、「ニーズに応えて利益を上げる」一連の活動をマーケティングと定義します。
04.デジタルマーケティングとは
では、本題のマーケティングの頭にデジタルという単語がついた「デジタルマーケティング」がなぜ今注目されているのでしょうか。
答えは簡単で、今の時代のマーケティングではデジタルを活用すると効果を最大化できる手法だからです。
デジタルと言われる、いわゆるPCやスマホが個人に行き渡る前は、新聞や本、テレビ等がマーケティング手法のど真ん中でした。
極端な話をすれば、石器時代ならば「実演」や「うわさ」が最も効果を最大化できるマーケティング手法だったでしょう。
例を上げるとしたら、デジタルマーケティングの主な手法は、下記の図の一番外枠以外と表現できるでしょう。
そして前の章で記載したマーケティングにおける要素で、デジタルが最も効果を発揮するのは「ニーズの収集」と「広める」という部分です。
ここからは更に掘り下げて行きましょう。
a.ニーズの収集
先程の靴の例で言うと、「足が痛い」「足が寒い」など、マーケターにとって顧客が、誰が、どこで、何を考えていて、何に悩んでいるのかを正しく理解する必要があります。
この理解が性格であればあるほど、生み出す商品やサービスは顧客にフィットします。
デジタル技術を使えば、この「顧客の声」を非常に効率よく大量に収集することができます。
例えばあなたが、スマホで何を検索していて、どんなWEBページを見ていて、それがどんな位置情報で、Facebookのプロフィールはこんな人で、、などあらゆるデータを取得できたらどうでしょう?
このような顧客データを大量に収集し分析できたら、より具体的な人々のニーズを把握できると思いませんか?
「別に紙でアンケート取ればいいじゃないか!」と思うかもしれませんが、重要なのは最新のデータを取得し続ける事ができるという事でもあります。
アンケートや聞き込み調査は、調査した時点からどんどん過去のデータとして劣化していきます。今の時代古いデータはゴミと化します。
デジタル技術をつかえば顧客とつながりを持ち続けることも可能です。
- 利用するサービスからデータ取得
- 利用するデバイスからデータ取得
- 他社からのデータ購入
常に新しい情報を取得し続け、顧客の心情の変化をリアルタイムに察知する事もデジタルの得意領域です。
最近ではその膨大なデータを人間が処理する事が困難なため、AIの活用も進んでいます。
b.広める
どんなにニーズを捉えて、良いものを作ったとしても誰にも知られていなければ、利益を得る事はできません。
デジタル以前であれば、新聞に広告を載せる、電車の中吊り広告、TVCMを打つなどの手法が一般的でした。
これらはもちろん今でも強力な広めるツールで有ることは疑いようも有りません。
ただし、これらはいわゆるマス的なアプローチであり、「大きくどーんと皆に見せるので、欲しい人は是非買ってね」というアプローチでした。お金も相応にかかります。
例えば広告を出稿する時、TVCMを出稿したとして、本当にニーズがあるのは、見た人のほんの一部でしょう。
本当に知って貰う必要があるのは、ニーズがある人だけで良いはずです。
デジタルの力を使えば、そういった大雑把なアプローチを細分化し、本当にニーズを持っている人だけに知ってもらう事ができます。
このような意見もあるでしょうが、デジタルマーケティングにおいては、それでも粒度が荒いといえます。
同じ20代男性でも興味のある領域は様々です。
例えば、同じ20代男性でもベビー用品に興味がある人に、バイト募集のデジタル広告をあてても全く興味が無く無駄撃ちになるでしょう。
さらに、ベビー用品に興味があっても、今すぐ欲しいかどうかの時間軸は別の問題です。
例えば、直近1週間頻繁にベビー用品を調べていて、なおかつYoutubeをよく見る人に、Youtube広告でベビー用品を訴求したらどうでしょう?
TVCMを不特定多数に見せるより、圧倒的にコストパフォーマンスよくアプローチできます。
ここまでが、非特定層(誰かわからない人)へのデジタルマーケティングマーケティングです。
ここにCRM(顧客情報管理)の概念を加えると、さらにターゲティングの精度が向上します。
この20代男性が、Youtubeを見ている時に、3月生まれの1才児だけのキャンペーン広告が出てきたら如何でしょうか?
ここまでパーソナライズ出来るのが、デジタルマーケティングの強みです。
今回は分かりやすい広告を例にあげましたが、デジタルマーケティングにおける強みは伝わったかと思います。
・ニーズの収集と拡散が得意
・顧客情報と繋がり続ける事が可能
・顧客をピンポイントで特定できる
05.デジタルマーケティングの課題とチャンス
デジタルマーケティングを使えば、より効率的にマーケティング活動を行える反面、いくつかの課題があります。
②精通した人が少ない問題
③マーケティング部分断問題
しかし、課題があるという事はそれ相応のチャンスもあります。
①個人情報問題
一度訪れたサイトの商品が、他のサイトに行っても広告として表示された経験があるかと思います。
中にはそれを「しつこい」「監視されてるみたいで気持ち悪い」と感じる人もいます。
ヨーロッパではGDPRという個人情報保護規定も設けられ、より個人のデータ取得と活用の透明性が求められています。
対策としては、「こういった目的で、こんなデータを取得しますよ」という同意を訪問者に対して取る事で透明性を確保できるでしょう。
②精通した人が少ない問題
冒頭でも述べたようにデジタルマーケティングに精通した人は非常に少ないです。
マーケティング部に所属している人も、実情としては広告代理店への発注係になっている事も往々にしてあります。
なぜなら、デジタルマーケティングで何をしたいかの目的は企業や個人によって様々で統一の正解は無く、それごとに目標やKPIが変わってくる為です。
- ECで物を売りたい
- ブログに集客したい
- 自動車の資料請求をさせたい
- Twitterのフォロワーを増やしたい、、、など
それぞれの目的ごとに、どんな情報を収集して、どんなチャネルで伝えて、どうなったら成功したと定義するのかが異なります。
まさにマーケティング=商売と言ったのはこの点で、経営者、事業主目線でビジネスをする必要がある為、徹底的にビジネスと市場を理解する必要があります。
根気強くトライアンドエラー、PDCAを繰り返せる人材がデジタルマーケティングには必要です。
③マーケティング部分断問題
これは企業でのマーケティング活動における話ですが、マーケティング部とその他社内の部署が連携していないという問題があります。
例えば、マーケティング部が顧客に「20%Offクーポン」を発行しているのにその情報が社内で連携できておらず、顧客から問い合わせを受けたコールセンターが「は?」となってしまう現象です。
部門間での連携ができていないと、顧客に一貫した体験を届ける事はできません。
そうなると、顧客の満足度はどんどん下がります。
06.主なデジタルマーケティング手法
ここからは、具体的なデジタルマーケティングの手法となります。それぞれ深堀りするとどこまでも深いので、ここではおおよその概念だけ記載します。
Paid Media
いわゆる広告です。企業がお金を払って出す広告で、デジタルマーケティングにおいて最も大きな割合を占める領域です。
Googleで検索した時に一番上に出てくる検索枠や、InstagramやTwitterのフィード中に挟まるSNS広告、Youtubeの途中に入る動画広告等が代表的でGAFAと呼ばれる巨大企業GoogleとFacebookの収益の大半はこのデジタル広告です。
この領域は非常にAIと相性がよく、個人の好みや行動によって最適な広告が表示されるアドテク系のAIが発展しています。
インターネット広告についてこちらに更に細かくまとめています
インターネット広告(デジタル広告)を学ぶポイント3点を徹底解説。リスティング広告、SNS広告、YouTube広告などをタ…
Earned Media
PRなどの、活動結果の掲載や、放送されるテレビ、新聞記事、WEBメディアなどを指す領域です。
よく「20代女性の彼氏いない率」のような目を引くWEB記事があると思いますが、あのような調査結果も企業が行うPRの一つです。
Shard Media
こちらはシェアするメディアという意味で、具体的にはソーシャルメディア(SNS)だと思ってもらって結構です。
昨今大きな力を持つのが、このSNSであり、シェアがシェアを呼びバズるなどのワードも一般化してきました。
デジタルマーケティングを行う上である意味必須の領域といえます。
SNSマーケティングの始め方については下記に詳細をまとめています
SNSマーケティングを行う前の超ファーストステップをご紹介。どんな人に、どんなメディアで、何を伝えるのか抑えるべき重要ポ…
Owned Media
自社で(もしくは個人)で作り込むWEBコンテンツの総称です。ブログなどもこのOwned Mediaに内包されます。
良質な記事やコンテンツを自社のサイトに蓄積し、検索経由での流入を拡大する目的が多いでしょう。
また自社のイメージをつけるブランディングや、正しい使い方などの消費者育成の目的でも使用されます。
・広告、PR、SNS、自社メディア
07.まとめ
今後デジタルマーケティングを勉強するために、マーケティング職を目指すならマーケター専門エージェントを使うのが有効です。
転職エージェントは企業側からお金を取るビジネスモデルなので、転職者側の利用は完全無料です。
無料で転職を全力サポートしてくれるのですから、これを使い倒さない理由はありません。
マーケティングは、座学だけでは身につきません。
自分で職業として取り組み、PDCAを回す事が最も早くデジタルマーケティングを身につける方法でしょう。
詳しくはこちら
初心者や未経験者がデジタルマーケティングを学ぶなら、まずは現場経験が最優先事項です。デジタルマーケティングやWEBマーケ…