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Siri AIとは|日本語版でできること・ChatGPTやGemini、Claudeとの違いと仕事での使い分け

目次

Siri AIとは、AppleがApple Intelligenceを土台に作り直した新しいSiriで、日本語版は2026年10月26日(米国時間)にベータ版として提供が始まりました。 メールやメッセージ、写真、画面に映っている内容を手がかりに答え、アプリの操作まで代わりに行います。ChatGPTやGemini、Claudeのような「開いて話しかける会話AI」とは置き場所が違い、iPhone・Mac自体に組み込まれたAIです。この記事では、Appleの日本語版の提供開始の発表・次世代Apple Intelligenceの発表・iOS 27の法人向け新機能の資料を一次情報として、できること、ほかの生成AIとの違い、仕事での使い分けと会社での扱いを整理します(いずれも2026年10月31日確認)。

先に結論をまとめます。

  • できること: メール・メッセージ・写真の中から情報を探す、画面の内容について質問しそのまま予定に登録する、メールの下書きや写真の編集をアプリの中で代わりに行う
  • 使う条件: iOS 27.2などへ更新し、Apple Intelligenceをオンにして、端末とSiriの言語をどちらも日本語に。対応機種はiPhone 16以降、iPhone 15 Pro・Pro Max、M1以降のMacなど
  • ほかの生成AIとの違い: Siri AIは「端末の中の自分のデータと操作」に強く、ChatGPT・Gemini・Claudeは「長い作業と深い考え」に強い。置き換えではなく役割分担になります
  • 会社での扱い: 会社のiPhoneでは、管理者がデバイス管理(MDM)でSiri AIを止められます。使わせるなら、社内のAI利用ルールにSiri AIも入れておきます
無料ツール Siri AIも含めた社内のAI利用ルールを作る

会社名・使ってよいAI・機密情報の扱いを選ぶと、入力禁止の情報や社外に出す前の確認を含む社内ガイドラインの叩き台を作ります。

Siri AI専用のルールではありません。使ってよいAIの欄に「Siri AI(会社支給のiPhone)」のように書き足して使えます。

Siri AIでできること

Appleの発表が挙げた機能を、仕事での使い道と並べます。

機能 中身 仕事での使い道の例
自分のデータから探す(パーソナルコンテクスト) メッセージ・メール・写真などから必要な情報を探す 「先週の打ち合わせで先方が出した候補日は?」をメールから拾う
画面の内容を理解する(オンスクリーン認識) 画面に映っているものについて質問し、そこから操作する メールに書かれた日時をそのままカレンダーに登録する
アプリの中で操作する メールの下書き、写真の編集・共有などを代わりに行う 移動中に返信の下書きを作らせ、あとで直して送る
Webの最新情報に答える スポーツの結果や近くの店など、Webの情報をもとに答える 訪問先の近くのカフェを探す
会話を続ける 答えに続けて追加の質問ができる 「それを30分後に変えて」のように言い直す
文章の作成・編集 指示から下書きを作り、相手ごとの句読点やトーンを反映する 社内向けと社外向けで言い回しを変える
ビジュアルインテリジェンス カメラや画面に映ったものについて質問する 展示会のパネルや資料の写真について内容を聞く

日本向けには、対応する他社アプリとして「Yahoo!乗換案内」が挙がっています(Impress Watchによれば経路の案内をSiriに頼める)。ほかにWhatsApp・Audible・FirstSeedタスク・Kotobaが例示され、App Storeで対応アプリを探せます。

会話の履歴はSiriアプリで見返せ、iCloudでiPhone・Mac・iPad・Apple Watch・Apple Vision Proの間で同期されます。iPhoneで始めた話をMacで続けられます。呼び出し方は、iPhoneでは「Hey Siri」・サイドボタン・Dynamic Islandからの下スワイプ、iPadとMacではSpotlight、Macではコンテクストメニュー(Controlキー+クリック)からも使えます。

日本語版を使う条件と対応機種

項目 2026年10月31日時点の扱い
開始日 2026年10月26日(米国時間)。日本時間では10月27日
提供の段階 ベータ版。正式版の時期は未発表
必要なOS iOS 27.2・iPadOS 27.2・macOS 27.2・watchOS 27.2・visionOS 27.2
対応するiPhone iPhone 16以降、iPhone 15 Pro・iPhone 15 Pro Max
対応するiPad・Mac A17 Pro搭載のiPad mini、M1以降のiPad、M1以降のMac、A18 Pro搭載のMacBook Neo
設定 Apple Intelligenceをオンにし、端末とSiriの言語をどちらも日本語にする
料金 発表に記載なし。サーバー側の処理には1日の使用回数の上限あり
使えない人・地域 13歳未満。EUではiOS・iPadOS・watchOSで使えない。中国では使えない

対応機種は9月の次世代Apple Intelligenceの発表に載っている一覧です。10月の発表は機種名を挙げず、「Apple Intelligenceを有効にできるデバイス」とし、地域によって一部のデバイスでは使えない場合があると書いています。

1日の使用回数の上限は、Siri AIのほか、写真の編集ツール、Image Playground、ショートカットのサーバー側モデルにかかります。回数は機能や頼む内容の複雑さ、システムの負荷で変わり、具体的な数は公表されていません。Appleは、上限を広げたアクセスを今後有料で提供する予定だとしています。

ChatGPT・Gemini・Claudeとの違い

いちばん大きな違いは、AIがどこに住んでいるかです。Siri AIはOSの一部として端末の中にあり、自分のメールや写真、開いている画面、入っているアプリに手が届きます。ChatGPT・Gemini・Claudeは、アプリやWebを開いて話しかける会話AIで、長い文章や資料、分析のような「作業そのもの」を得意とします。

Siri AI ChatGPT・Gemini・Claude(会話AI)
置き場所 iPhone・Mac・iPadのOSに組み込み アプリやWebを開いて使う
手が届くデータ 端末の中のメール・メッセージ・写真・画面 会話に貼ったもの、つないだサービス(Gmail・Slack・CRMなど)
得意な用事 数秒〜数十秒の短い用事、端末の操作 資料づくり、分析、長い文章、何十分もかかる作業
動かすモデル AppleのApple Foundation Model(端末の中とAppleのサーバー) 各社の最新モデル。上位プランで上位モデルを選べる
料金 追加料金の記載なし。1日の上限あり 無料版+月額の有料プラン
会社での管理 会社のiPhoneならMDMで止められる 各社の法人向けプランで管理

Siri AIのモデルについて、Appleは「GoogleおよびGeminiのモデルとの協業によって、独自の次世代Apple Foundation Modelを作った」と説明しています。中身にGeminiの技術が入っていても、Siri AIはAppleのモデルとして動き、Geminiのアプリとは別物です。処理は端末の中と、Appleのプライベートクラウドコンピューティング(Private Cloud Compute)のサーバーで行われ、Appleは「処理中の個人データはAppleを含め誰も保存もアクセスもしない」としています。

会話AIの側も、2026年秋には各社が「自分から動く」方向へ進んでいます。たとえばChatGPTは常駐型のエージェント(ChatGPTのdots)、Googleは最上位モデル(Gemini 4 Carbon)、Anthropicは上位プランの見直し(Claude Ultraプラン)を出しました。Siri AIはこれらと競うというより、端末側の入口を押さえる位置づけです。

仕事での使い分け

営業・マーケティング・バックオフィスの場面で、どちらに頼むかの目安です。

場面 向くもの 理由
外出先で「次の訪問先までの乗り換え」を調べる Siri AI 声だけで済み、対応アプリ(Yahoo!乗換案内)を直接動かせる
メールに書かれた打ち合わせ日時を予定に入れる Siri AI 画面の内容から、そのままカレンダーに登録できる
先方とのやり取りから、前に言われた条件を探す Siri AI 端末の中のメール・メッセージを探せる
短い返信の下書き どちらでも Siri AIは相手ごとのトーンを反映できる。社外の重要なメールは会話AIで推敲する
提案書・企画書・議事録の作成 会話AI 長い文章を組み立て、何度も直す作業は会話AIが得意
売上データの分析、グラフ作成 会話AI 表の読み込みと計算、図の作成ができる
CRMやSlackの情報を横断して次の一手を考える 会話AI 各社とも外部サービスにつなぐ機能を持つ

一言でいえば、手元の端末で完結する短い用事はSiri AI、成果物を作る作業は会話AIです。両方を使う人は、Siri AIに「探す・登録する・下書きを始める」を任せ、仕上げを会話AIで行う流れが組みやすくなります。

会社のiPhone・Macで使わせるときの注意

会社支給の端末でSiri AIを使わせるかどうかは、情報システム部門の判断事項になります。端末に最初から入っているAIは、SaaSのように部署が個別に契約するものと違い、OSの更新と設定の切り替えだけで社員の手元に届く点に注意します。

  1. 止めることはできる: AppleはiOS 27の法人向け資料で、デバイス管理(MDM)によりSiri AI・ビジュアルインテリジェンス・自然言語でのカレンダー編集を制限できると説明しています。同じ資料には、ChatGPT拡張を無効にする設定と、ChatGPTへのサインインを止める設定も載っています
  2. 管理ツールの対応を確かめる: Appleの資料に設定があっても、使っているMDMの製品がその設定に対応しているかは製品ごとに違います。契約先に確認します
  3. 社内ルールに入れる: AIの利用ルールがChatGPTなどの会話AIだけを対象にしていると、端末に組み込まれたSiri AIが抜けます。「Siri AIに社外秘のメールを要約させてよいか」「画面に顧客情報を出したまま質問してよいか」を決めておきます
  4. ベータ版であることを伝える: 間違った答えや、意図しない操作が起きる前提で、送信や予定の確定の前に中身を確かめる運用にします

AIに任せる前に人が確かめる段取りは、ヒューマン・イン・ザ・ループの考え方そのものです。社内ルールの全体像は生成AIの社内ガイドラインの作り方にまとめています。

よくあるつまずき

  • iOS 27.2に更新しただけで使えると思う: Apple Intelligenceをオンにし、端末の言語とSiriの言語の両方を日本語にする必要があります。対応していない機種では更新しても使えません
  • 上限に当たって止まる: サーバー側の処理には1日の回数の上限があります。複雑な依頼ほど早く上限に近づくため、長い作業は会話AIに回します
  • Siri AIとGeminiアプリを同じものと思う: Siri AIはAppleのモデルで動くSiriの新版で、Geminiのアプリや有料プランとは別のものです
  • 会話AIの代わりにしようとする: 長い資料の作成や表の分析は得意分野ではありません。大規模言語モデルの力をどこで使うかで、道具を分けます

参考: AIに任せる業務の決め方

Siri AIのような端末のAIと会話AIのどちらを使うにしても、先に「どの業務をAIに任せるか」を決めておくと、道具の選び方がぶれません。読む・探す・下書きするで済む業務から任せ、送信や支払いのように取り消しにくい操作は人が確かめる、が基本です。業務ごとの判定はAIに任せてよい業務かの診断ツールで、AIエージェント製品の比較はAIエージェントの比較でまとめています。

情報は2026年10月31日時点のものです。正式版の開始や有料のアクセスの提供が発表されたら、この記事に追記します。

よくある質問

Siri AIは日本でいつから使えますか?

2026年10月26日(米国時間)、日本時間では10月27日から日本語のベータ版で使えます。iOS 27.2・iPadOS 27.2・macOS 27.2などへ更新し、Apple Intelligenceをオンにして、端末とSiriの言語をどちらも日本語にする必要があります。正式版への移行時期は発表されていません。

Siri AIは無料ですか?

Appleの発表には料金の記載がなく、追加料金の案内も出ていません。ただしSiri AIなどサーバー側のモデルを使う機能には1日あたりの使用回数の上限があり、Appleは上限を広げたアクセスを今後有料で提供する予定だとしています。

Siri AIの中身はGeminiですか?

Geminiそのものではありません。Appleは、GoogleおよびGeminiのモデルとの協業によって独自の次世代Apple Foundation Modelを作ったと説明しています。処理は端末の中と、Appleのプライベートクラウドコンピューティングのサーバーで行われ、Geminiのアプリとは別物です。

Siri AIとChatGPTはどう使い分ければよいですか?

iPhoneやMacの中にあるメール・メッセージ・写真・画面の内容を使う短い用事はSiri AI、資料づくりや分析のように長い作業はChatGPTのような会話型AIが向いています。Siri AIは端末の操作と個人データにつながっている点が強みで、会話型AIは作業の量と深さで勝ります。

会社のiPhoneでSiri AIを止められますか?

止められます。AppleはiOS 27の法人向け資料で、デバイス管理(MDM)によってSiri AI・ビジュアルインテリジェンス・自然言語でのカレンダー編集を制限できると説明しています。ChatGPT拡張を無効にしたり、ChatGPTへのサインインを止めたりする設定もあります。