社員1人にかかる費用はいくら?会社負担の社会保険料と実質人件費【令和8年度】

社員1人を雇うと、給与のほかに会社負担の社会保険料が月給の約15.7%かかります(令和8年度・協会けんぽ東京・40歳未満)。 月給30万円なら実質人件費は月約34.7万円、額面の約1.16倍です。この記事では、会社負担の内訳と数値例、採用予算の組み方を解説します。

会社負担の内訳(令和8年度)

社会保険料は従業員と会社がそれぞれ負担します。従業員の天引き分とは別に、会社は以下を負担します。

項目 会社負担率 月給30万円の場合
健康保険(支援金0.23%含む10.08%の折半) 5.04% 15,120円
厚生年金(18.3%の折半) 9.15% 27,450円
雇用保険(一般の事業) 0.85% 2,550円
労災保険(その他の事業) 0.3% 900円
子ども・子育て拠出金(全額会社) 0.36% 1,080円
合計(40歳未満) 15.70% 47,100円

40〜64歳の従業員は介護保険(1.62%の折半=0.81%)が加わり、合計約16.5%になります。賞与にもほぼ同じ料率がかかるため、「月給×12+賞与」の総額に対して約16%を上乗せするのが年間の会社負担です。

令和8年度の変更点: 子ども・子育て支援金の徴収開始(東京0.23%・労使折半)、雇用保険の事業主負担は0.9%→0.85%に引き下げ、協会けんぽ東京は9.91%→9.85%に引き下げ。料率は毎年3〜4月に変わるため、年1回の見直しが必要です。
🧰 関連ツール: 月給と年齢区分を入れるだけで上の内訳と実質人件費を令和8年度率で自動計算する会社負担の社会保険料計算ツールで、自社の給与水準に当てはめて確認できます。従業員側の手取りは手取り計算ツールで。

採用予算は「額面の1.2〜1.5倍」で組む

社会保険料の1.16倍は最低ラインです。実際の採用では以下が加わります。

額面給与+社保 約16%+賞与・手当+採用・教育費=実質コスト
  • 通勤手当・福利厚生費 — 通勤手当にも社会保険料がかかります(標準報酬月額に含まれる)
  • 賞与 — 年2ヶ月分の賞与を出すなら、年収ベースで約17%増+その社保負担
  • 採用費・教育費 — 中途採用の紹介手数料は年収の35%前後が相場。入社後の立ち上がり期間(戦力化まで数ヶ月)の人件費も実質は投資です
  • 間接コスト — PC・ライセンス・オフィススペース。会議の多い組織では会議コスト計算ツールで見える化すると人件費の使われ方が分かります

「月給30万円で募集する」ことは「年間500万円前後のコストを固定費に積む」ことです。損益への影響は損益分岐点の計算で確認してから決めるのが定石です。

見積・単価設定への反映

人件費を時間単価に換算するときも、額面ではなく実質人件費を使います。月給30万円・月160時間稼働なら、額面の時給換算は1,875円ですが、実質人件費ベースでは約2,170円。ここに販管費と利益を乗せたものが対外的な請求単価の下限になります。工数見積の考え方は工数見積(人日・人月)計算ツールとあわせて使ってください。

よくある失敗

  • 求人の月給だけで損益を試算する — 社保・賞与・採用費を含めると、想定より年100万円以上多いことが珍しくありません
  • 昇給の連鎖コストを見落とす — 月給を1万円上げると、社保負担も約1,600円増えます。全社員に適用すれば×人数×12ヶ月です
  • 料率を古いまま使い続ける — 健康保険・雇用保険の料率は毎年変わります。支援金のような新設項目もあるため、年1回は必ず見直します
  • 業種別の労災保険率を確認しない — 表の0.3%は卸小売・サービス業等の率で、建設業などは大きく異なります

まず会社負担の社会保険料計算ツールで自社の実質人件費を把握し、採用・昇給・単価設定の判断はその数字を基準にしてください。

よくある質問

会社負担の社会保険料は給与の何%ですか?

令和8年度・協会けんぽ(東京)の場合、40歳未満の従業員で約15.7%、40〜64歳で約16.5%です。内訳は健康保険約5.04%(子ども・子育て支援金含む)+厚生年金9.15%+雇用保険0.85%+労災保険0.3%+子ども・子育て拠出金0.36%です。

月給30万円の社員の実質人件費はいくらですか?

会社負担の社会保険料が月約47,100円加わり、実質約347,100円(額面の約1.16倍)です。年間では給与とは別に約56.5万円を会社が負担します。さらに賞与・通勤手当・採用教育費を含めると額面の1.2〜1.5倍が実態です。

令和8年度に社会保険料率は変わりましたか?

変わりました。2026年4月から子ども・子育て支援金の徴収が始まり(協会けんぽ東京で0.23%・労使折半)、一方で雇用保険料率は事業主負担0.9%→0.85%に、東京都の健康保険料率は9.91%→9.85%に引き下げられています。